TikTok Ads(広告マネージャー)で出稿する手順
2020年6月25日、ついにTikTok For Businessがローンチされました。ティックトックではこれまで、オフラインでの契約にて広告の配信を行なっていましたが、TikTok For Businessの登場により、企業や個人が簡易的にアプリ内の広告を出稿する事ができるようになりました。かつてFacebookやTwitterがそうだったように、TikTokは今まさに進化しているマーケティングのプラットフォームです。そんなTikTokで早速、広告を出してみようという方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回はTikTokで実際に広告を出す際の広告マネージャーの設定方法を解説していきます。
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急成長を遂げるTikTok(ティックトック)
元々、「若者の暇つぶしアプリ」でしかなかったTikTokも今では「新しいマーケティングの形を提案するプラットフォーム」へと変遷しています。広告会社のWPPグループで調査・コンサルティング業務を担うカンターは「世界のブランド価値ランキングTop100」でTikTokを運営するバイトダンスは79位にランクインしており、今年の新規参入ブランドの中で最も高い順位だったと報告しています。「Don’t make ads.」という標語からも分かるように従来のような一方通行な広告ではなく、ユーザーに広告やキャンペーンに参加してもらい、楽しんでもらうコンテンツを提供する事を徹底しているのが、ここまで人気が出た要因でしょう。
他のSNSと比較した際のTikTokの特性
ユーザーの年齢層は10代〜20代の男女が66%を占めておりますが、最近では30代以上ののユーザーも徐々に増加しております。原則1人1アカウントの実名登録が必須であるFacebookの広告と比較するとターゲティングの精度は劣りますが、誰でもバズる可能性があり、その拡散力はTwitterに匹敵するとも言われています。またTikTokを開いた事があれば見たことはあるかと思いますが(ちなみにTikTokはダウンロードから7日間は広告が表記されません)、TikTok内の広告は大きく3タイプに分かれます。通常の投稿の中に紛れ込んだ「Infeed(インフィード)広告」、起動時に表示される「Takeover(テイクオーバー)広告」、人気のティックトッカーなどを起用し、企業が特定の音源やハッシュタグをつけた投稿をする「Tag Callange(タグチャレンジ)広告」の3種類があります。TikTokには昔から「リップシンク(口パク)」や最近では「meme(ミーム)」と呼ばれる文化があり、ユーザー同士でダンスやネタを模倣し合う文化が存在します。その為、広告に出てきた音源はそのまま引用したりする事ができたり、ダンスを完全に真似してもポジティブな印象しか与えないのです。FacebookやInstagramのようにただタイムラインに紛れ込んで流れていくだけでなく、ユーザー参加型のキャンペーンとして波及することでより大きなうねりを生みます。著作権やいわゆるパクリ、なりすましに厳しい他のアプリでは生まれなかった風潮と言えるでしょう。事実、運営会社のバイトダンスの調査によると過去の調査と比較し、+124%のユーザーが「TikTokの広告はつい見てしまう」と回答し、TikTokの広告はスキップされにくい事がわかっています。スマホネイティブで新しいことに敏感なユーザーが多いTikTokでは広告という概念すら変化しているのかもしれません。
TikTok広告マネージャーを使う方法
ここからは実際の画面と共に、TikTok広告マネージャーの設定方法を解説していきます。なおこちらの情報はTikTok For Businessに登録した後に配布される「TikTok Ads アカウント操作ガイド」を元に作成しています。
TikTokで広告を出す場合の大まかな流れ
TikTokで広告を出稿する際の大まかな流れは以下の通りです。
1.キャンペーン/広告セット/広告の設定
2.アカウント情報入力
3.お支払い情報の入力とご入金
4.広告審査
5.配信開始
一般的なFacebookなどのSNSと同様、広告セットを入稿した際には適正かどうかの審査が入ります。またアカウント情報の入力後にもアカウント自体の審査が入ります。1の広告設定と2のアカウント設定は前後して行うことも可能です。審査には約1日ほどの時間を要するので、実際に広告を配信したい日になる前に事前に設定しておくようにしましょう。
TikTok Adsの配信開始までの設定
キャンペーン設定
キャンペーンを設定する場合、2つの遷移方法があります。「TikTok Adsの初回ログイン画面→キャンペーン設定ページ」か、「TikTok Adsアカウントの上部メニュー『広告』→キャンペーンタブ『作成する』→キャンペーン設定ページ」から設定を始めましょう。「新規作成」を選択すると新たにキャンペーンを設定することができ、「既存キャンペーンを使用」を選択すると過去のキャンペーンを利用することができます。
「目的」
ここではキャンペーンの目的を設定します。ブランドの認知向上が目的であれば「リーチ」を選択するとできる限り多くのユーザーに広告を配信する事ができます。多くのユーザーをランディングページへ流入させたい場合には「トラフィック」、アプリのインストールが目的であれば「アプリインストール」、ただ多くの人に動画を見てもらいたい場合には「動画視聴数」、ウェブサイトでの実際のアクションを増やしたい場合には「コンバージョン数」を選択しましょう。
「予算の設定」
キャンペーンに全体的な予算制限を設定します。これにより、キャンペーンの広告セットは支出制限に到達した時点で停止します。基本的には予算の設定をするようにして、効果が大きな広告セットに予算を注ぎ込んでいくようなPDCAサイクルを回しましょう。予算を設定する場合、日予算か通算予算かを選択する事ができます。予算設定する場合、「日予算」「合計」とも最低金額は5千円(50USD) となっております。「日予算」「通算予算」は設定後、切り替え不可となりますので注意しましょう。
広告セット設定-プレースメント-
広告セットは「キャンペーン設定ページ」→「広告セットタブ」かTikTok Adsアカウント上部メニューの「広告」→「広告セットタブ」→「作成する」→「広告セット設定ページ」から設定が可能です。
「プレースメントタイプ」
プレースメントタイプでは広告を出稿する場所を選択する事ができます。TikTokを運営する会社、バイトダンスではTikTok以外にもBuzzvideoなどのアプリを運用していますので、もしそちらで広告を掲載したい場合にはそちらを選択することも可能です。
広告セット設定-プロモーション-
「プロモーション目的」
設定内容はキャンペーン目的で選択した項目によって変わります。それぞれの目的にあったものを設定しましょう。
「カテゴリー」
プロモーションする商材に一番近いカテゴリを選択していきます。システムがどのような商材が把握できるようにするためのものですので、自分たちの商材に当てはまるものを選択しましょう。アプリの場合は、「アプリインストール」の項目の中から選択することを推奨 します。
「広告タグ」
プロモーションする商材に関連する任意のキーワードを入力し、TikTokのシステムにどんな商材なのかを認知させるためのものです。キーワードは20個まで設定できますが、多ければ多いほど参照データが広がるため、上限まで設定することを推奨します。
「ユーザーコメント」
プレースメントでTikTokを選択した際のみコメント機能のオン/オフを選択できます。オンにするとユーザーは広告に対してコメントとコメント欄の閲覧が可能になります。
「ダイナミック広告」
こちらをオンにすると、システムが入稿した素材の組み合わせを生成し、クリエイティブ毎の露出を自動で調整する広告セットとなります。 配信中に広告に対する最適化が行われ、最も成果が得られた組み合わせが選出されるのでおすすめです。
広告セット設定-配信対象-
ここでは広告を届けたいユーザーをターゲティングする設定を行う事ができます。除外したいユーザーリストを選択することもできるので、例えば配信目的がアプリインストールの場合インストール済みユーザーのIDをアップロードすることで除外設定することも可能です。その後はロケーション、性別、年齢、言語、興味関心、通信環境、キャリア、デバイスプライス、システムバージョン、OSを設定していきます。コンバージョンに応じて最適化をかけたい場合は最初の出稿時には興味関心を選択しないことをお勧めします。
広告セット設定-予算とスケジュール-
予算とスケジュールの詳細を設定していきます。先ほど設定した予算を元により具体的な費用を設定していきます。配信の期間を設定したい場合、「終了日なし」のチェックを外し、 配信開始日と終了日を入力しましょう。掲載スケジュールでは曜日ごとに配信時間の指定ができるようになっています。
広告セット設定-入札と最適化-
「最適化の目標」
この項目はプルダウンから最適化目標を選択するのですが、選択した「キャンペーン目的」によって、選択可能な「最適化の目標」は変わります。
「課金イベント」
選択した「最適化の目標」に応じて自動で選択されます。
「入札タイプ」
「スタンダード」か「コンバージョン最大化」を選択します。CVが溜まる前の学習期間からCTR、CVRを予測し、設定CPAを考慮し、CV最適化で配信する事ができるので「学習期間でコンバージョンを最適化する」を選択するのが推奨されています。
「入札」
目標とする単価を入力しましょう。こちらは目標単価であり、入札上限ではありません。
「配信速度」
「標準」と「加速」を選択することができます。「標準」を選択した場合、広告配信の指定期間内で、トラフィック量に基づいて予算を均等に分散し、 「加速配信」を選択した場合、配信期間、予算設定にIMP量が縛られること無く、可能な限りターゲットとするオーディエンスにリーチし、目標に対する効果をよりスピーディーに、最大化します。「バランス型」か「スピード型」か、目的に適合したものを選択しましょう。
「サードパーティトラッキングの設定」
デフォルトで、連携したアプリイベントのトラッキングURLが表示されます。クリックトラッキングURLは変更できませんのでご注意ください。
広告設定-広告フォーマット-
「クリエイティブ」
配信希望フォーマットを「シングル動画」か「シングル画像」のいずれかから選択します。ダイナミック広告を選択している場合、表示画面が若干異なります。
「動画を選択/画像を選択」
3つの方法で広告をアップロードする事が可能です。すでに完成したクリエイティブがある場合には「ファイルをアップロード」、過去に入稿したクリエイティブがある場合は、ライブラリに保存されておりますので「ライブラリから選択」からアップしましょう。まだコンテンツがない場合は「動画を作成」から管理画面にある動画作成ツールで動画を作成する事が可能です。
「広告主名」
管理上の広告名称を入力します。自動生成をチェックすると自動で名称が設定されます。
「テキスト」
実際に掲載するテキスト原稿を入力する事ができます。
広告の設定完了後、広告セットの審査に入ります。CVテストが完了していない場合や、すぐに配信開始しない場合は、キャンペーンあるいは広告セットをオフにしておきましょう。
出稿する広告の原稿規定
出稿する広告には最適なサイズや容量に規定があります。規定にあった動画のサイズや容量を守ったコンテンツを作成しアップロードするようにしましょう。
出稿する動画の規定・サイズ
アスペクト比:9:16/1:1/16:9
解像度: ≥ 720 * 1280 / ≥ 640*640 / ≥1280*720
ファイルの種類: .mp4/.mov/.mpeg/.3gp/.avi
ビットレート: ≥516 kbps
動画の長さ: 5〜60秒(9〜15秒を推奨)
ファイルサイズ:≦500MB
プロフィール画像のサイズ・規格
アスペクト比:1:1
ファイルの種類:jpg / .jpeg / .png
ファイルサイズ:<50K
サムネイルのサイズ・ファイル形式
アスペクト比:動画素材と一致すれば問題ありません。
解像度: ≥ 720 * 1280 / ≥ 640*640 / ≥1280*720
ファイルの種類:jpg/.png
アプリ名の設定
半角英数字4〜40文字(中国語/日本語 等の全角は2〜20文字)
ブランド名の設定
2〜20文字の英字(1〜10文字の中国語/日本語)に対応しています。
説明文の入力と注意点
12~100文字の半角英数字(中国語/日本語 等の全角は6~50文字)に対応しています。なおブランド名と説明文は絵文字や {}、#といった記号は使用不可となっています。説明文が長すぎる場合、スマホの機種によっては全て表示されない可能性がありますのでご注意ください。
また推奨される動画サイズや容量、形式は推奨されるものが変更される可能性がありますので、その都度最新のものをチェックするようにしましょう。動画の規格についての最新の情報はこちら。
広告審査について
広告審査は広告入稿後原則1日で審査を完了します。審査結果は「広告」→「広告セットタブ/広告タブ」→「状態」から確認する事ができます。審査が非承認となってしまった場合は「広告」→「広告セットタブ/広告タブ」→「審査アラート」 から否認された理由を確認する事ができます。より詳細な否承認箇所や理由を確認したい場合、 広告アカウントID、広告セットIDを連絡する事で開示する事ができるようです。
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TikTokの広告を出稿し、次世代のマーケットを攻略しよう
TikTokは次世代のWEBマーケットに大きな影響を及ぼす存在となっていくことは確実です。収益化の流れがあることも踏まえると、ますますTikTokの勢いは増すことでしょう。今回TikTokでの広告出稿を試してみようという方も一度出稿して終わりではなく、しっかりと効果測定を行い、自分たちの商材やブランドにあった広告セットを分析し、最適な広告セットを見つけましょう。
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